|バックナンバー:01-02-03-04-05-06-07|執筆日:04.12.11|


前回は、葉巻の構造について、タバコの葉も、3つの構成で葉巻ができている、ということをお話しました。

これらの3種類のタイプの葉を、どのように巻いていくか。そんなことはどうでもいい、と言う声も聞こえてきそうですが、シガー愛好家にとっては、この工程がメインイベント! シガー工場の華でもあります。

「ガレラ」と呼ばれるその部屋は、とても広く、そして整列されたテーブルで、職人達が作業をしています。その職人こそ、「トルセドール」(女性の場合はトルセドーラ、複数の場合トルセドーレス。スペイン語なので、語尾変化します)と呼ばれる葉巻職人。英語でいう「シガーローラー」という職種です。

一人一人に仕切られた卓上には、道具と材料があります。それは、とてもシンプルなもの。

【材料】
・ラッパー ※(詳細は前号へ)
・バインダー ※(詳細は前号へ)
・フィラー(3種類のタイプ)

   ↑
  要するに、全部タバコの葉のみ
 
【道具】
・チャベタ(葉を切る半楕円のような形の包丁のようなもの)
・ゴマ(天然の植物性のノリです)
・タブラ(まな板のようなもの)
・カスキージョ(パンチカッターのようなもの、円切りカッター)

   ↑
  要するに、「作業台」と「カッター」と「天然の糊」
(他にギロチンカッターと定規)
 
・そして指(職人の技術)

という具合。


まずは、台の上に、バインダーを敷いておきますが、手の平に2〜3種のフィラーを束ね持ちます。決してねじりません。

次に、バインダーの上に先ほど束ねたフィラーを置き、のり巻き寿司のように、巻きます。 この巻き方がポイントですよね。これは職人技です。誰でもできるものはありません。

そして、木型に差し込みます。その木型にだいたい10本くらいのボンチェ(※ラッパーを巻いていない状態の葉巻。フィラーをバインダーで巻いただけの状態のこと)が収まったら、それをプレスします。

続いて、台の上に、今度はラッパーを敷きます。端は切捨て、綺麗に形を作り、その上に、ボンチェを置き、のり巻き寿司のように巻いていきます。

最後は、吸い口の部分を綺麗に巻き、天然の植物性糊で留めて、出来上がりです。その後、品質管理、貯蔵、色分けなど、様々な工程がまっています。 ↑私がトレーニング受けているところ。もちろん特別!キューバにて。

あっという間の手早さで、職人達は作業していますが、一日に、一人あたり、だいたい80〜100本前後作ります。それは大きさなどによって異なりますが、とにかく『手巻き』ですから、貴重なわけですよね。そして『手巻き』ですから、1本1本、微妙に違うわけですよね。そこが醍醐味でしょう。



酒類の分類としては、ご存知の通り、

  • 醸造酒
  • 蒸留酒
  • 混成酒
大まかな分け方ですが。

醸造酒(ビール、ワイン、日本酒など)を蒸留したスピリッツ(ウイスキー、ブランデー、焼酎、ジン、ラム、ウォッカ・・などなど)をベースに、原料を漬け込んでそのエキスを抽出したもの、それが混成酒。例えば焼酎に梅を漬け込んで作った「梅酒」は、混成酒。日本版リキュールだっ!!

リキュールの原料となるものは、なんでもいいわけですよね。漬け込んで、そのエキスが抽出されれば。だから、「リキュール」と一口に言っても、バリエーションは豊富。その原料を大きく分けると、

  • 果実系
  • 種子系
  • 草木、薬草(ハーブ)系
  • その他

 となります。
 
飲みやすいのは、果実系でしょうか。梅酒でもお分かりの通り、ソーダ水や何かで割ってアルコールを押さえれば、食前酒としても向きますね。

種子系は、例えばコーヒーとか、チョコレート(カカオ)とか、クルミとか、杏の核とか。想像しただけで、苦みと同時に、コクがあるイメージを感じると思います。ですから、クリームを入れてカクテルにしたり、或いは食後に向くタイプですね。

草木、ハーブ系というのは、まあ、個性的、とお察しの通りです。日本人の味覚には馴染みのないものだと思いますが、地中海性気候のカラッとした陽気の外で飲むと、実に美味しいものがあります。

個人的な好みですが、私はこのタイプが大好物!時々、えっ?って言われてしまいますが、「さあ、今日は飲むぞー!」という時には、待ち合わせの前にウエイティングバーに先に行って、シャルトルーズ・ヴェール(グリーン)を牛乳で割り、クラッシュアイスで飲みます。意外に美味しいですよ。(なんか今、PCの前で惹かれているような気がする・・・)

130種のハーブを調合しているという、このリキュール。食前なのでアルコールを押さえるために牛乳で割りますが、なんで牛乳かというと、胃に膜をはって、これから飲むワイン(の量)に備えるためです。(張り切り過ぎでしょうか?)

でも、ここだけのヒミツですからね。そんな意気込んだ人とは飲みたくない!と、お誘いがなくなってしまいますものね(笑)。

体調不良や喉の調子が悪い時も、シャルトルーズ・ヴェールをグレープフルーツを絞ったジュースで割って飲みます。(そうまでして飲むな!早く帰って寝ろ!と言われそうですが)。

食前だけでなく、食後というか、深夜のバーでは(つまり、散々飲んだ後)、これらの草木・薬草系のリキュールがまた、消化を助けてくれるのです。甘く苦い大人の味です。(置いていかれて取り残された深夜向きのせつない味です←個人の主観です。あえて注釈なし)。

例えば、イエガーマイスター。例えば、チナール。もう、この手が大好き!(深夜)。(原料は何かって? ですから、草木・ハーブ系。読むより飲んでみて!その時のお楽しみ!それにその方がバーテンダーさんと会話ができて楽しいです。安いから安心して)。

ほろ苦いので、食前には刺激が強いかもしれません。お腹も満たされ、消化を促す食後酒。そこにシガー。苦いけど甘みもあるこれらのリキュールは、シガーのお供にも、ちょっとしたアクセントをつけてくれますよ。

いろいろ飲んで試した後の、上級編のマリアージュかもしれませんけれど。(上級編というより、嗜好品なので、たまには変わったものも、という趣向の時に、是非どうぞ)


■編集後記
なんだか、全然大人の色気のリキュールの話と、かけ離れてきましたが、まあ、いろいろなリキュールの楽しみ方がありますので、あなたのリキュールの飲み方、魅力を教えてください。お気軽にどしどし、お便りお寄せくださいね。このページで匿名でご紹介していきたいと思います。

→ お便り:info@aimable-salon.jpまで
(件名に「ワインの後のCとD 7」と書いて、メールください



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