|バックナンバー:01-02-03-04-05-06-07|執筆日:04.09.01|更新日:04.10.04|




前回は 食後のデザートの必要性、重要性についてお話しました。いよいよ 食後にシガー(葉巻)を手にしませんか?選び方をご紹介しましょう。その前に お酒でも飲みながら・・・




「Champagne シャンパーニュ」はいかが?「え? シャンパーニュ?ちょっと待ってくださいよ、それは食前酒でしょ。」 はい。解っています。ほとんどの方がそういうことを。でもまだ暑いし、たぶんこのページをご覧になっている時もよく冷えたシャンパーニュ飲んで美味しい頃じゃあないかと・・・(ゴクッ)きっと たいていの方は食後酒といえば、

・ ブランデー(コニャック、アルマニャック・・)
・ カルヴァドス
・ マール(グラッパ)

などを期待されると思いますし、レストランで重い食事のあとにはそれら蒸留酒を飲みたくなることでしょう。今回あえて「シャンパーニュ」をご提案しますのは季節もありますが、意外な面白さがあるからです。ちょっと上級者向きかな?


ブラン・ド・ブランや、軽快でエレガントなタイプのノン・ヴィンテージクラスのシャンパーニュを食前酒に飲まれてから 白ワイン、赤ワイン、と流れることはよくあります。

でも時々、というかリッチなお客様はやはりシャンパーニュもプレステージクラスや 或いはコクのある有名銘柄の、値段もかなり高いシャンパーニュをご注文されることが多いです。どうせシャンパーニュ飲むならいいものを、というお考えだと思いますが、その後の白ワインはなぜか軽いスッキリタイプを選んで赤ワインで重いものを選ぶ方が多いです。

「白ワインは軽いドライな切れのいいものを」って、、、?!それならその白の方がアペリティフ向きで シャンパーニュはその後かメインに持ってきたほうがいいんじゃない?ということ、よくあるようです。シャンパーニュ=食前酒 という図式にとらわれない方が 料理を一層楽しめると思います。


そこで私の提案はシャンパーニュをまずは食前に一杯。そしてそのボトルをとっておきシャンパーニュの銘柄と料理によってはそれをメインに合わせることもできますが、デザートのときにまたそのシャンパーニュお飲みになるのもよろしいと思います。

そのときには食前の時より温度はやや高めでグラスも少しふっくらしたものに変えると、より甘味とふくらみが出て食後のデザートにリッチなマリアージュが楽しめるかもしれませんね。私のレストランでは その時の菓子にもよりますが、もしベリー系のフルーツを使っていたら、そのシャンパーニュにクレーム・ド・ミュールを入れるご提案をします。そのままのシャンパーニュで飲みたい、という方と、さらにリキュールを入れて濃厚にして食後のシャンパーニュらしく楽しみたい、といういろいろな方がいらっしゃいますので その辺はご希望をお伺いします。


シャンパーニュとシガー
デザートの後、シガー(葉巻)にこのシャンパーニュをまた合わせてもいいと思います。たいていの方は「合わないのでは?」と思うかもしれません。シャンパーニュの酸味と泡(食前酒のイメージが強いし)が爽快なイメージだからだと思います。

ですからそのシャンパーニュの銘柄、味わいのタイプ(ノンビンテージかプレステージか、ブラン・ド・ブランかブラン・ド・ノワールか、ロゼか、醸造のタイプなど・・・)で、食後に向くものと シガーに向くもの、向かないものがあると思うのです。一概に「シャンパーニュ」というひとつのカテゴリーでくくる固定概念をなくして、シャンパーニュ本来の個性をみつめてみてください。品種、醸造方法など。 あなたが「ソムリエ」と名乗るプロならば。

シャンパーニュとシガーの相性についての理論は やはり醸造について少しでも理解されている方でないと 探れないかもしれないので、分析するには、近くにいる“ソムリエ”を名乗る方や、醸造に詳しい方にシャンパーニュの製法を尋ねるのもよいと思います。しかしだいたいは葉巻にもあいますね。それはなぜかといえば、シャンパーニュの醸造に鍵があります。 他のスパークリングワインと違うところ、単なる泡の飲みものではなく、瓶内発酵、熟成期間が長い、リザーブワインを入れる、など、熟成、酵母の旨味、などがキーワードになっていると思いませんか?もちろんそのシャンパーニュメゾンによって違うので一概には言えません。一般的な話です。

だからこそどのシャンパーニュがより合う、あまり向かない、など 千差万別。選ぶのはプロに任せましょう。

もしボトルにシャンパーニュがまだ残っていてシガーを吸うのなら、そのシャンパーニュにリキュールを少し垂らしてみてはいかがでしょう。リキュールはフルーツに限りません。種子系にもいろいろありますよね。

「葉巻」の作られ方、本質を知っている人なら どんなリキュールがいいか 発想できると思います。ということを 二チーナ・シガースクールの研究科「サロン・デ・ニチーナ」では 実際にマリアージュしながらやっています。ご参加のお問合せなどはどうぞお気軽にスクール事務局まで。

是非 お洒落な組み合わせを楽しんでみてください。
楽しみ方の幅はいろいろ広がりますね!





さて、シガー(葉巻)の選び方の一提案を話します。

まずは そのお店に置いてあるヒュミドール(ウミドール、ユミドール、ヒュミダー、国の言葉の違いですからどれも正解です。)、いわゆるシガーボックス、葉巻保管箱が運ばれてきます。

その中に入っているシガーを選ぶわけですがシガーマネージャー資格所有者や 古くからシガーを取り扱っているレストランの担当者なら 初心者に適切にアドバイスしてくれますので安心です。

ヒュミドールを開け、中に入っているシガーを触ることが出来ます。これと思ったシガーを手にして香りを嗅ぐこともさせてくれます。是非手で触って、ご自身が吸えるかどうか感じてもらいたい、というのがプロのアドバイスです。もちろん興味本位でただベタベタ触るのは嫌がられます。香りを嗅いだり状態を確かめたりするためが目的です。

【ヒュミドールの中のシガーを触る目的】

  • 大きさ、太さを実感してみる
  • 保管状態(乾燥してないか、湿気が含みすぎてないか、好みで)の確認
  • 傷、虫食い、カビなどシガーの確認
  • 香りを嗅いで熟成具合(好みに合うか)、保管具合を確認
などなど。
だいたいは すでにお店側で管理して毎日営業前に確認済みですからほとんど心配はありません。好みを選ぶ程度というのが実際でしょう。

ところで、むやみに全部触るのもどうかと思います。でも、そうです。だいたいの狙いを定めなければなりせん。

【選ぶポイント】

  • 好みのブランド
  • 大きさ

ブランドによる個性がありますから、好みの味わいを選ぶと言う意味です。しかし初心者ならどのブランドがいいか解りません。そこで、大きさで選んでみたいと思います。もちろん太くて長いものが風味も豊かで 楽しめます。しかし、大きさを選ぶポイントはいくつかあります。

  1. 時間・・・今シガーを吸うのに許される時間。それに見合った大きさのシガーを選ぶ
  2. シチュエーション ・・・誰と、何時ごろ、どこで、どういう状況で?

これはとても大きなポイントです。

もし、今日の食事の相手が目上の方だったら?商談の席で相手が大切なクライアントだったら?おのずとその方よりも小さなシガーに手がいくことでしょう。その方よりも太くて長いシガーを吸ったら相手よりも偉そうに映ってしまいますからね。

もしあなたが女性で、相手が年上の男性だったら?やはり女性らしく男性よりも小さめ、細いものを手にした方がエレガントに映るでしょう。

時間帯というのは 例えば午後のひとときなら その後の仕事やまだ次の予定あるでしょうから小さめ、味わいも軽めがいいでしょう。

もし豪華なディナーの後ならリッチな風味の太くて長いシガーが豊かな夜半の時間を過ごさせてくれるでしょう。

このようにシチュエーションで選ぶことができると なかなか洒落た選択だと思います。粋ですよね。配慮が感じられます。

サイズもいろいろありますので その名称や種類などまた触れることにいたしましょう。



■メインガイドのご挨拶
[ 2004.09.01 ]


今年の夏は 暑かったですね。(この原稿はお盆前に執筆してますが・・・)でも、寝苦しい、エアコンかけっぱなしで寝る、という熱帯夜続きではなかったと思います。

青い空と白い雲、眩しい太陽の光。日中は30度を越える猛暑続きでしたが、なぜか心地好いのは風があったからでしょうか? そう思います。まるで南国にいる気分!と思い込み、陽気な音楽(サルサ)を聴きながら 遥かカリブの島国の風景を目に浮かべながら通勤していると 夏も快適。風にあたって外を歩こう。暑いけど気持ちいい〜、開放的な夏でした。



|バックナンバー:01-02-03-04-05-06-07