|バックナンバー:01-02-03-04-05-06-07|執筆日:04.07.01|更新日:04.09.06|




ワイン・食卓の延長線上として、アフターディナー、レストランでのさらなる楽しみ方をご紹介したいと思っています。そのアイテムのひとつにシガー(葉巻)とディジェスティフ(食後酒)があります。これを使わない手はありません。

さて、その前に、デザートがあります。もちろん、ワイン通、レストラン通の皆さんはこれがまた楽しみ、当然のものという認識があると思いますが、時々「私は甘いのが嫌いだから」とか、未だに「菓子は女・子供の食うものだ」なんて男性もいたりしますが、(もういないか?)アレルギーならまだしも、デザートを食べないで食卓を終らせるなんて、トイレに行って手を洗わないで出てくるくらいのものだ、なんて聞いたことがあります。(本当はもっと過激な表現だったのですが、ここではこの程度に抑えておきますね)

変な例え話でごめんなさい。でも料理的にも、砂糖を使った和食でしたら最後に糖分を補う必要はなく、果物や水菓子など口直し的なさっぱりしたものでよいでしょうが、フランス料理の場合、基本的には砂糖を使わないのです。ですから最後にデザートで糖分を補うことは栄養学的にもバランスがとれています。(やはりそれぞれの土地の料理は文化があって、自然に合理的に淘汰されていますね。それに逆らうことなかれ・・・)それにその方がアルコールの分解もいいのでは?食後にデザートを食べることは当然、理にかなっているのですね。

もちろん、甘いのが苦手なフランス人もいますが、それでもその内容によっては召し上がりますね。つまり一概に「甘いもの」とくくらずに、食材が何か、どういう調理法か。そこまで確かめないで「甘いもののが嫌い」の一言で片付けるのは慣れてない証拠、か、本当に苦手か、願掛けして甘い物断ちしている最中か・・・ですかね?



お楽しみは本日のデザートに合わせる飲み物。

まさか、水だなんて?!まさか、コーヒーだなんて?! そうそう、そういえばこんなお話も。レストランの「デザート」は、ランチやディナーですよね。決してティータイム、"おやつ"の時間ではないのです。"お茶菓子"ではないのに、紅茶やコーヒーなどの飲み物が揃うまでお菓子に手をつけない人がいたりします。(アイスクリーム、溶けちゃうよ〜)

でも日本では、お客様(特に御婦人)からは「まだコーヒー来ないの?!」なんて冷ややかな目で言われたりして・・・なので、お店の人はコーヒーや紅茶を一緒に出してしまうところが多いようで、在日フランス人はそれに慣れてしまったせいか、「コーヒーはデザートが終ってからね」なんていちいちお店に言わなければならないらしいです・・・

というわけで、最後の締めのエスプレッソコーヒーはデザートのあと!デザートはお茶菓子ではありませんよ〜。と同時に、コーヒーも単なる菓子のお供(口を潤わすため)ではありませんよ〜。立派な一品、流れにあった最後の重要な一品です。




今回は「食後酒」の前に、「デザートワイン」について。

その日のデザートに応じて合わせる飲み物を選ぶのも、ワイン好きならこれもまた楽しい時間ですね。第二ラウンドの始まりです。

レストランで メインディッシュが終るとチーズが出てきて、その後に一度テーブル上のパン屑を掃除し、新たにセットしてくれますね。昔はそこでテーブルクロスを全部取り替えたそうです。そう、仕切り直して、新たにまた食事(デザート)が始まるわけです。昔々、菓子もいろいろ次から次へと沢山の品が出た時代の話です。まあそうやって時代を経て現代の洗練されたフランス料理文化が築かれています。

で、現代では、そのテーブルクロスを変える代わりに、ダストパンでパン屑を片付けて、デザート用にまた改めてセッティングします。余談にそれましたが、デザートワインは何がお好きですか?甘い飲み物・・・天然のネクターを是非一杯。幸せなひとときです。「Sauternes ソーテルヌ」もいいでしょう(決まりきってこれしか言わない人も多いようですが)。 でももっと他にもいろいろあります。レストランでは、せっかくなので楽しみましょう。


お菓子に合わせて選んでいますか?
 

そこで登場するのがソムリエです。是非、そこのお店のソムリエに「今日のデザートに合うお薦めは?」といくつか聞いてみましょう。デザートワインはそうあまり種類は置いていないところが多いですが、いくつか提案してくださったらそこはいいレストラン、いいソムリエのいるお店ですね。「いい」とは、「GOOD」の意味ですが「値段がいい」という意味でもありますよ(笑)。でも素敵なことです。レストランに行ったからにはこの際、そこでケチってはダメです。ケチるなら最初からレストランではないお手頃なお店を選ぶべきでしたね。

男性はここで女性にデザートワインを飲ませなければなりません!(決まりではありませんが、勝負の見せどころです)  でも、選んであげるよりは、「彼女のデザートにあうデザートワインは、ここ(この店)では何がお薦めかな?」なんて、ソムリエに問いかける方がずっとスマート!!

ちなみに、イタリア料理店はいいですね〜。デザートワインを豊富に揃えているお店が多いですし、実際いろいろ種類があって楽しいですね。

意外にフランス料理店でもデザートはワゴンでいろいろ選べるお店なのに、デザートワインがソーテルヌ1種だけだった・・・「えっ? 他は?」と声にしないで心の中でつぶやいていると、ポートやグランマニエ(これらはいいけど)、なぜかコニャックやマールまで勧められてしまった・・・なんてことありませんか?(まだデザートなのに!!)

こちら(お客様)としては、「それはこのデザートの後に飲むつもりだから、その前に、このデザートに合わせてスピリッツほどアルコールの高くないものがほしいのに・・・」なんて、飲兵衛の欲張りな私は思った経験がありますが、それほどに、デザートに合わせてのお酒、続いての食後のお酒を楽しむ、という習慣がまだ浸透していないのかもしれません。


さあ、あなたは今夜のデザートに何を飲む?


これからの季節、クリームをたっぷり使ったり濃厚な味わいのデザートよりさっぱりしたものフルーツを使うものが多いかもしれませんね。そうなると貴腐ワインだったらソーテルヌよりはロワールの貴腐の方が酸味があっていいですね。つまり食材と調理の仕方。そしてあなたの嗜好。なので、決まりや法則はありません。好きなものを楽しみましょう。

ところで暑い夏だったら貴腐以外のものを是非楽しみたいですね。V.d.NやV.D.Lを大いに活用しましょう。お手頃価格で十分楽しめる味わいが揃っています。

菓子の食材としてトロピカルフルーツ、例えばマンゴーやパッションフルーツなど最近よく登場します。これらの香りがあるワインはそういったデザートと物凄くいい相性ですね。天然の甘味があって、貴腐ワインとは違う爽やかな酸味・・・


「Jurancon ジュランソン」ってご存知ですか?
 


Secセックの方ではなく、Moelleuxモワルーの方なのです。

「品種は?」なんてすぐ聞くんですよね、ワイン勉強してる人って。脳で飲まないで体で美味しさを実感してくださいね。なぜ相性がいいのか、産地、品種・・・とノートを広げるより先に自身の味覚で分析して楽しんでくださいね。(そういえば、レストランでワインを選ぶのにノートを広げる某ワインスクールの生徒と誇らしげに名乗るお客様がいた・・・ソムリエが目の前にいるっていうのに・・・凄い!日本のワイン文化って・・・食卓からではなく教室とノートから文化が広がっているー?!と、現実を知らされる光景を目の当たりにしたことがありますが・・・タブン トテモフシギナコウケイダトオモウ・・・)

Jurqnconジュランソンは フランスの南西、スペインに近いピレネー山脈の麓にあるポーという町付近一帯、つまり南部とはいえ山腹に葡萄畑が広がり3千メートル級の山脈から吹き降ろされる厳しい気候とのこと。いろいろありますが例えば霜が降る頃、クリスマス頃に葡萄を摘むものもあります。 乾燥した果実の凝縮した果汁で作られるのがMoelleuxになります。 素晴らしい!天然の甘味!! ちなみに私のレストランでは1994年産やVendange Tardiveの1990年産もあります。

是非珍しいジュランソン・モワルーなどもデザートのときに楽しんでみてはいかがでしょう。これからの季節にお勧めの一品です。





さて、今回は葉巻(シガー)の吸い方をお話します。どうやって吸うのか?どのように持っても、どのように吸って頂いても、吸う人の自由です。吸って煙を吐くだけ。いちいちお作法なんてございませんわ。「煙を肺に入れてはいけないんですよね?ふかすんですよね?むずかしいなあ・・・ゲホゲホ」と律儀にされるかたもいますが、別にそんな決まりはありません。ただ、肺にまで吸い込むと紙巻たばこと違って大きくて太い分、煙の量もニコチンの量も多いですから、倒れることもあるかもしれませんので、肺に入れない方がいいと思います。

苦しみながら慣れる必要はないので、葉巻は無理にお吸いにならない方がよろしいと思います。

葉巻の持ち方も、決まりはありません。指で持つ以外に私には考えられませんが、どの指で挟むかと悩まずに、自分が持ちやすいように持てばいいだけです。

太くて長い、大きい葉巻ですから、安定感のある持ち方の方がさまになると思います。映画で観るマフィア風に持つのか、エレガントな紳士風に持つのか・・・いろいろ試されると面白いでしょう。(一人で鏡を見ながら)。そのシガーのサイズと、貴方の体格、これによっても似合う持ち方というのは人それぞれです。その葉巻自体大きくて太く、大量の煙を吐き出すという行為自体がすでに威圧感がある存在なのですから、一般の方の場合、マフィア風に持たない方が賢明に思われます。

あまり意識せず、何度か手にしているとそのうち自然にしっくりくるものです。


作法はないけどマナーはあります

それは、吸う人のための作法ではなく、吸わされてしまう人を気遣う配慮のこと。と、考えれば自ずとどういうことかが答えがでてきますね。

シガー愛好家は、一部の愛煙家とは違ってマナーを伴っていらっしゃいます。それはなぜならシガーは高価なもの、その高価なシガーを愛好できるという条件が備わっている紳士である、ということは昨日今日シガー好きになった若い世代とは違って愛好歴、経験の時間があるわけで嗜み方が身についていますし、すなわち葉巻以前にすべての物事へ配慮が伴っている方が葉巻を嗜好する、という図が多いからでしょう。

ですから、愛好家としてではなく、仕事でシガーに携わるようになった若い方(もちろん私自身も含め)は、意識して嗜み方やマナーを配慮する努力が必要です。というわけで職業とする方のためや若い方、女性など入門向きにサロンスクールがあるのです。是非ご利用なさってみてください。

愛好家というか、つまり格好いい紳士のしぐさを見ながら自然にスマートになるといいですね。


まずはカットをします

吸い口は閉じている方ですから、まずはその閉じている方をカットします。専用の器具もありますが、シガーの小物は高価なものです。最初から購入しないで 慣れてから自身の好みで購入することをお薦めします。ギロチンカッターと呼ばれるものが多いです。できればダブルギロチン(両刃)がきれいに均等に切れるのでお薦めです。

他にはシガー用はさみもありますが、本当に切れ味の良いものは数万円からする高価なものです。レストランなどお客様にサービスされるところはシガーシザー(はさみ)を用意していますが、自分のシガーを切るためならギロチンカッターかパンチカッターが持ち歩くにも便利でしょう。

パンチカットというのは 吸い口を丸いカッター(ラウンド・カッター)で穴を空ける方法です。

それに対して、ギロチンカッターやシザーはシガーに対して垂直にカットします。
好きな方でカットしてください。何事も経験です。一般的には器具が揃えやすいこともあり、フラットカットが多いようです(ギロチンカッターなどを使う方法)。ただ、注意する点は、切りすぎると巻いている葉がほどけてきてしまうこと。また、小さく切ると、吸い込みに力がいること。特に肺活量の少ない女性にはつらい。
小咄。 「口を大きく開けるのがいやでしょうから」と、気を遣ってくださるのはありがたいのですが、意識する殿方がいる時はシガーは吸いませんし、吸うとしたら最初から細いものを選びますわ。それより、貴方がカットしたこの葉巻の力いっぱい吸わないとならない運動量の方がつらいのですが・・・(ジョークです)


火を点けます

マッチでもライターでも何でもいいのです。火なら。

ただ、オイルライターですと、そのオイルの臭いがナチュラルなタバコのアロマにかぶさってしまう。なぜ葉巻を吸うかといえば、ニコチンが欲しいわけではなく(そういう人もいるかもしれませんが)、天然のアロマを楽しむためなのです。ですから、無臭のガスライターがお薦めです。

その他、点火の際の注意点については次回にまた詳しくお話したいと思います。



葉巻を吸ってみて、いかがでしょうか?

その香りをお楽しみ頂けましたか? 無理しないでくださいね。意外に吸っている本人は香りがつかみにくく、周りの人の方がその葉巻の香りを楽しめるものなのです。 いつ、どのような環境で吸ってもいいのですが、やはりTPOを使い分けられると尚いっそう楽しみが広がります。

さあ、どんな葉巻を選びましょうか?

次回、葉巻の選び方をお話する前に、どういうサイズ、どういう種類があるのか、その辺もご紹介したいと思います。



■メインガイドのご挨拶
[ 2004.07.01 ]


梅雨は嫌い、という人は多いけど、日本にいる以上、毎年来るものなので、そこは考え方次第、どうせ嫌でも1年に1回、過ごさなければならないのだから、プラス思考で梅雨シーズンを楽しみましょう♪

梅雨の合間の晴れ間の気持ちいいこと、雨上がりの青い空に流れる白い雲を見ながら、葉巻を燻らせませんか?空調機もいらないこの時期、自然の風は熱風でちょっぴりじとっと汗ばむけど、高温多湿も風通しがよければ心地好い。湿度があるからシガーのアロマが膨らみ広がること、保管も楽なこと(と、あなどっていると後が怖いけど・・・)。

シガーを吸うことができる間というのは、つまりゆっくり過ごせる「時間」を約束してくれるのです。ナチュラルなアロマと共に贅沢な癒しのひとときです。

↓終了しました↓
7/26に大阪でシガーサロンを開催します。キューバのカクテル、モヒートを本場仕込みのレシピで楽しみながら、シガーを燻らせ数種類のお酒とのマリアージュをテーマトークします。是非、遊びにいらしてください。 ご興味のある方はこちらから。


実際に一緒にシガーを燻らせながら 基本的知識を覚えるサロンスタイルのセミナーをしています。同じ空間を1ヶ月に1回共にし、半年後には自然に身についているようなクラスです。詳しくは こちらを。


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