このタイトルは ワイン業界の専門家、ワイン好きな方々ならすぐにピンとくる言葉ですが、一般に使われる言葉ではない専門用語です。

本来 筆者はワイン生産家でもなく、農業に携わっておりませんし、また専門的に勉強している関係者ではないので、この専門用語の解説を知ったかぶりして書くことができません。

いずれ私の尊敬する専門家にご登場いただくとして、なぜ、このタイトルにしたかというご説明まで。

→ 《BIO(ビオ)についてはこちら》



■BIO(ビオ)ワインとの最初の出会い

実は私はBIOワインが好き。ビオディナミで作られたワインが好き、ということです。このワインを知ったのは 1999年。とあるインポーター主催のワイン試飲会で出会いました。
「ワイン会」ではありませんよ。インポーターがバイヤー、酒屋、レストランなどにワインをPRするための試飲会というのがあります。何十種類とある中でなぜかその時 印象的だったのが ビオで作られたワイン。とても衝撃的な味わいでしたし、どうしてこういう味になるのか紹介者に突っ込んで聞きました。

それからたまたま私はレストランを移転、リニューアルオープンするために慌しい日々と オープン後の忙しさでビオについて調べる時間が後回しになってしまいました。(嘘です。確かにその忙しさもありますが、本当は他のものに夢中になってしまったからでした(笑)・・・)

1999年の晩秋に、フランスで活躍されていた某ソムリエを招いてワイン会を自身のレストランで開きました。その時、そのソムリエさんが情熱的にワイン会で紹介してくれたのが
特別に持ってきたというワイン数種類。それはビオディナミのワインでした。あの頃は、まだ日本ではほとんどそれらのワインを聞いたことがなかったしビオのワインに注目している人はほとんど業界でもいませんでした。しかし、彼は力説していました。こんなに素晴らしいワインを紹介していきたい!と。

正直言って衝撃的でした。え?この産地で?造り手も名前も聞いたことないようなワインばかりを紹介するんですもの!!あの頃は ワインブームの絶頂期で 有名ワインばかりが飛ぶように人気でそれを語ることがステイタスみたいな、そんな時代でしたからね。
クレイジーワイン会?みたいのが大流行の時代。うちの店もワイン好き(?)が多く一部において”異常?”でしたから。この4年半で随分変わりましたね、業界での認識も。


■「天然」がテーマのレストラン

私たちは、移転先の土地状況にあわせワインセレクトを模索しているときでしたが以前のレストラン(7年間営業)でのワインのこだわりは「造り手の顔が見えるワイン」、「健康なワイン」。つまり、有名銘柄、ブランド、よりも、状態の良いワインを仕入れてそれを大切に保管し、料理と一緒に楽しんでもらうこと。小さい個人店なのにワインセラーにはこだわり特注で作りました。

しかし、これは重要なことです。ワインは農産物の賜物、生きています(熟成)から、外観(名前)ではなく、中身が大切です。そして、オーナーシェフのレストランゆえ、料理のスタイル、こだわりは決まっています。また、当店の料理のコンセプトが、新しいレストランの建物(現代建築家によるデザイン)のこだわりともぴったり合っていました。それらは「天然素材」、「自然」。

ということで、必然的に空間(建物)や、料理にあわせてていくと、ワインも今までのテーマに加え、「ピュア」「ナチュラル」という方向に興味がいくのは私にとっては自然なことでした。


■再会

しばらく 他のことに忙殺していましたが、昨年2003年にワイン業界の友人から これらビオのワインを紹介してもらう機会がありました。彼は大変な努力家で 毎年フランスに渡り勉強しているということはその前から知っていましたが2003年には何度か彼らと会う機会がありその度に素晴らしいビオワインを次から次へと紹介してくれました。しばらくビオワインを調べることに離れていた間にこんなに日本に紹介されるようになっていたとは!ちょっとソムリエとして恥ずかしい思いでもありました。

飲めば飲むほどに ミネラル感が身体に染み入るピュアなワイン。本当です。まったく驚きです!私は こんなピュアなものが好きなんだ!もう無駄なものは身体には入れたくない!!と喜びに満ちる味わいです。実はワインに限らず、もともと飲食、薬など、体内に入れるものには子供の頃から重要に育てられていましたので、《私にとっての「本物」とは、「天然」であること》です。


■ピュア、ナチュラル

ビオワインの話はまた機会を設けますが、この「ピュア」、「ナチュラル」という私のこだわりは 自然な流れだという経緯をお話しました。

話は変わりますが、若いときは どう自分を良く見せようか、とそんなことを考えていたものでした。誰もがそういう時期があるのだと思いますが、結局人間は自然体が一番だと思えるようになりました。ありのままの自分でいこう、それを私のスタイルにしよう、そう決められるようになったときはとても楽になりました。

精神的に負担がないから、気持ち好く生きられるようになりました。それがいいことかどうか、少しはプライドを持ったり、プレッシャーを感じた方が成長するのかどうかよくわかりませんが、私のライフスタイルは「自然体」、これにもう決めちゃいました(笑)。素直でいることがいいこととは限りませんが、自分の気持ちには正直でありたい、と。

といいながら、まだまだ気取ってしまったり良く見せようとはりきってしまって、それが自分の生き方らしくないものだから私の場合は、後でみじめになる時もまだまだありますけどね(笑)。まあ、それもまた自然でしょう??


■ピュア(Pure)をスペイン語では「Puro」といいます

ビオワインを探ろうと思った頃、他のことに夢中になってしまって...と言い訳をしましたが、実はそれはまさにPureなものへの探求でした。「シガー(葉巻)」の世界最高の極上品、つまりハバナ・シガーのことをヨーロッパ人やキューバでは よく「プーロ(Puro)」と呼びます。辞書では「Cigarro」とあります。これはキューバ以外のスペイン語圏ではシガーロと言いますが、本場キューバではシガーロは普通のたばこ(紙巻たばこ)のことを指します。

そして、シガー(葉巻)のことを「タバーコ(Tabaco)」、特に海外向けの極上シガーのことは「プーロ(Puro)」と呼んでいました。

Puro、つまり英語のPureです。キューバで作られたタバコの葉だけを使って、キューバだけで作っている純粋なキューバ産シガー、という意味で、そう呼ぶのです。”純粋なシガー”

私はPuro(Pure)に夢中になっていたのでした。

「葉巻」ってたばこでしょ? と、紙巻たばこと一色単にされてしまいがちで嫌われがちですが、発酵、加工の過程から製造方法も違うものです。私は愛煙家ではありません。紙巻たばこの煙は大嫌いな方なんです。そんな私が「葉巻」に深い感心を寄せるのは、確かに原料は葉タバコですし、苦いニコチンも含有していますが、農産物なんです。

しかもどこにでも育っている葉ではなく、キューバという土地、テロワールを感じられるところから産させる農産物(植物)を収穫し、自然発酵させて作られるものだからです。

紙巻たばこは工業製品ですが、葉巻は農業製品に属するものです。

もちろん、ワインを一緒にしないでくれ、とお怒りがたくさんきそうですし、別物であることはいうまでもありません。

全く別のものとしても、私はとにかく「Puro」を深く探求する旅に出ていました。ピュアなものだから、私はその魅力(原産地、歴史、文化的背景など)にはまってしまいました。


■ここでは

この「BIO」というページではビオワインの魅力、紹介はもちろんのこと、ピュア、ナチュラルをテーマにしたものにスポットをあてていきたいと思います。

あなたの感じる「ナチュラル」、もっと知りたい「ビオワイン」など、ご意見ご要望、コメントをお寄せください。